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2023.3
【創作】嬌声粛々慾君を汚す/からつぽ
■嬌声粛々慾君を汚す
ネタはもう随分前からしっかりしてた。始まりから終わりまで流れもきちんと決まっていたし、あとは細かく書き込んでいくだけ!私の好きな一場面の小話。書きたいところだけかくやつ。
ところで私の書くR18は、喘ぎ声やセリフを挟まないものが多い。淡々と情景描写に努める雰囲気小説が得意だ。というよりは、単純にセリフと声の表現が苦手なのである。
だから今回もそういう感じで書こうと思っていた。
けれど書きながら気付く。
「結腸責めにおいて喘ぎ声ないのはあかん」
あまりに淡々としすぎていた。盛り上がりも何もない。
結…って、やっぱり未開の地に踏み入られて理性も何もかも滅茶苦茶にされてしまうのが醍醐味じゃんね。私ももちろんそれが書きたかったのだけど、それをセリフなしで地の文だけで書くのは流石になんか違った。
濁点喘ぎ。これだ。結…は濁点喘ぎなしには語れない。それくらい切っても切り離せないものなのだと知った。
ということで、さあ困った。
喘ぎ声ってたった五文字の母音とほんの少しの子音で構成されるのに、なぜこんなにも難しいんだろう。無理すぎて汚喘ぎったー?だかいう診断メーカーに頼った。(回しすぎて診断結果が可哀想なことになってしまった)下品すぎず、でも与えられる快楽にどっぷり浸かって乱れに乱れたその声を聞かせてほしいの。
最終的に、100点の推しが書けたかはわからないけど、執念だけでなんとか書き上げた。
もうリアリティーなんぞ知らん。私はとにかくありとあらゆる推しの姿をえがきたいのだ。ただそれだけ。
完成して嬉しい!
例によってタイトルには苦労した。またいつものところに頼りました。
■からつぽ
その頃一方、バチバチに喘いでる推しさんの話を書きながら、並行してもう一本の話が水面下(?)で同時進行していた。
これも構成は決まっていたもの。短いのはわかってた。二人のやり取りというよりは、片方の視点に寄り添って思考を詳らかにしていく。私はこれを解釈話と呼んでいる。(自分のキャラへの解釈を滔々と並べているから)
多分一般受けはしない。でも別にいいんだ。推しのことこういうふうに考えてますっていうプレゼンのようで、やがて変わってしまうかもしれない解釈を、その時思いついた物語として形に残しておきたいという、そのための小話。
濁点話に比べて正反対の淡々とした話になった。
会話、セリフ、声は一言も発しない。本来の私が書きたくて、好きで、得意な文体。
たった2000字程度。だけど満足している。
セリフや声の表現がない分あまり苦労はしなかったように思う。これもとにかく完成させたい気持ちで取り組んだけど、読み返してちゃんと好きだった。
未来の自分がこれ本当に大丈夫なやつ?って薄めで読もうとしてたら、大丈夫だよって、目かっぴらいて読めよって背中を押したい。
特に意味はないけど、タイトルの「つ」は大文字。本当に意味はない。