【創作】貴方と一夜シリーズ

時間かかったけどなんとか納得できる形で完成できたの嬉しい!
作品語りします。



シリーズ一作目の支部での初投稿は2019年4月。10月に続編を書いた際に、『紆余曲折を経ていつか結ばれる二人の未来まで書きたい』みたいなことを書いた気がする…五年越しかあ…

 

■キャラ観

 
11:真面目で硬派。一途。愛されるよりも愛したい派。
6:根は真面目だけど軟派。快楽に従順。愛されたいけど本気になるのが怖い。
6は生粋の男性愛者なのに対して11は6と会うまでは異性愛者という設定。二人とも過去の相手はそれなりにいる。身体の相性は良かったんでしょうね…顔の良さとか、そういうところだけで繋がってる危うく脆い関係性に最初は萌えていたと思う。
攻めっ攻めな受けがかきたい!なんて言いながら奔放な6を書くのは楽しかったし、そんな6に振り回されながらも真摯に愛を注ぎ続け、時に身勝手な相手をも受け入れる度量の広さは私の好みをふんだんに盛り込んだ11で大好きな設定。そしてそんな11に段々心を許していく6。書きたかった大まかな流れはこんな感じでした。

 

■テーマと流れ

原初の欲求は『ワンナイトラブする116が書きたい!』です。相思相愛もいいけど、身体だけの関係っていう設定の116が大好物。
バーの場面は絵(?)的におしゃれで、サブテーマが『お酒』と思っていたこともあってことあるごとに入れていたけど、後半ちょっとだれたかな、と思う。ただの待ち合わせ場所にしかなってなかったのは反省点だけど、それでもエピローグの11視点の場面は特にお気に入りです。

最初はほんとうに軽い気持ちで『セフレ』『お酒』とかその辺をテーマに好き勝手書いていたのだけど、物語が煮詰まってきて浮かび上がったサブテーマに『感情・関係性の変化』というものがあります。

6がどうして11の告白を頑なに受け入れないのか、というところを考え彼の内面や過去を深掘りしていったら、『なんか過去に色々あって大事な人を失うのが怖いから』という設定が生まれた。6の過去エピソードまで詳細に書こうかと最初は考えていたけど、二人の話から逸れていくし、色々あって(後述)書く意欲が減退していたパートでもあったので、もうサクッと流してしまった。
感情の揺らぎ、書くのむっずい。シリアス苦手なのに116長編シリアスになりがちです。

今回書いてて気付いたこと。私はずっと『受けが大いなる愛を得る話』が好きだと思っていたのだけど、本当に報われてほしいとせつに願っているのって実は攻めの方だったのかも。記憶喪失の話も然り。

『七夜、そして朝』で6視点で晴れて気持ちが通じ合うところで物語を終えるつもりだったのだけど、エピローグを追加したのはそういう気付きがあったから、というのもある。始まりも11視点だったしね。やっぱり夜、二人が初めてひかれあった雰囲気を思い起こしながら終わりたいと思った。タイトルが夜に言及しているし、あとはメタい話だけど朝で終わると記憶喪失話の構成と似すぎてるかなあとも思って(朝に気付きを得る話好きなんだけどね…)

 

■書けなかった時期のこと

前述した色々あった時のこと。
ずっと吐き出したくてたまらなかったのだけど、今回めちゃくちゃ筆が進まなかったのには一つ明確な原因があったんです。

それは、『ネタ被り』

とある超有名作品に出てくるキャラクターのセリフで、自分の中で思いついて大切にあたためてきた解釈が、これ以上なく的確な言葉できれいに言語化されているのを見てしまった。私の書きたかったものが他の人の手によって言語化されている。そしてその表現があまりにも私の書きたかったものと合致しすぎていて、完全に“わからされてしまった”状態でした。
見てしまった以上もう私にはこれを超えて表現することなんてできない。この解釈こそがこのキャラクターの軸となる、そんな設定とするはずだったのに、もうこの言い回しを使うことができない。そう思ったらもう全く手が、頭が、動かなかった。

他にもいろいろと書けない要因はあったけど(そもそも長編難しいと気付いた!ストーリー練るのむずい)、一番こたえたのはこの気付きです。気付きたくなかったけどそうもいかないし、知らずに似たような表現を我が物顔で振りかざさなくてよかったかなと今では思う。

 

なんとか自分の文章で物語を終えることができたので、くだんの文章を添えておく。
悔しいけど(?)本当に私が書きたかったもの的確なんだもの…

 
わたしが嫌いなものは”変化”だ
状況の変化、肉体の変化、感情の変化
あらゆる変化は殆どの場合”劣化”だ
衰えなのだ

わたしが好きなものは”不変”
完璧な状態で永遠に変わらないこと

『鬼滅の刃』12巻より 鬼舞辻無惨

 

『あらゆる変化は多くの場合劣化である』
『だから不変を望んだ』
『特別な感情を変わらずに持ち続けるためには、深入りせず上辺だけの関係でいる方がいい』

これが私が6に課したかった設定でした。まさかの無惨過ぎた…wほんとに知らなかったんです。アニメ見たとき呆然としちゃった。

 

■物語の結末

無惨はさておき、受けに闇を背負わせたがるところもまたちょっと手癖かな。
けれど6のこの思考はやっぱり11が良い意味で打ち砕いてくれるわけです。

上辺だけの関係性ばかりでいたせいで人を愛することを知らない6を尊重しつつ、そんなところも丸ごと愛したいと一途な想いを一貫させた11。
6も変わっていくことは怖いことじゃないと知り、逃れられない変化を受け入れながら一緒に進んでいきたいと思える相手を見付けることができた。

なんとかハッピーエンドで納めることができました!

この二人が出会う物語を書いたときから、紆余曲折あって最後は結ばれる二人が書きたいとずっと思ってた。叶ってよかった。
読んでくださった方ありがとう。今回ばかりは一人だったらもう投げ出してたかもしれないです。拍手にも励まされました。

 

 

■執筆が終わると……

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> 次の執筆が始まるのだ! <
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どう考えても創作中毒です。人生楽しい!!
ひとまず私も原稿と呼ぶべき執筆に取り掛かるべく、大枠ができるまでは書くべきものに集中しようと思います。
正直もう大連載は私の作風に合っていないと感じるので、今後はぱっと思いついたものをさっと出していけるようになりたいな。

なんていいつつ、実は二夜を書いたとき(つまり5年前)くらいからあたためている『番外編・貴方と初夜』の構想なんかもあったりするので、書きたいものはつきませんね。楽しいです、人生。