推しカプ香水のレポート

推しの数字の日なのでScentlyさんで推しカプ香水を注文した話をします。(やっと)
めちゃくちゃ楽しかったですよ。

 
1 購入のきっかけ
2 オーダーシート
3 届くまで
4 香りへの印象
5 メッセージカードを楽しむ
6 楽しみ方
7 オーダーのコツ


 

1 購入のきっかけ
たまたまPR投稿を見たからだったかしら?これまでも何度も“推し香水”の紹介は目にしてきたけど、自分で買おうとは思ったことなかったな。職場でも自宅でも、香りに関しては色々な制限も多くて。
たぶん心惹かれたのは、香りをつくること自体よりも【オーダーシートを記入する】という行為。
自分の推しカプへの感情と解釈を凝縮させたもの。これってオーダーとしてでなく、普通に創作のためにも役立つ気がする。そう思って、購入するかはさておき書いてみようという気になったのがきっかけでした。
書いてみたら断然ほしくなってしまって結局すぐ注文した。

 

2 オーダーシート
本当にこれを書くのが楽しかった!衝動的にあれこれ書いたあと、じっくり推敲の時間を取ってさらに煮詰めた。
原文は最後につけておきますのでご興味あればどうぞ…めちゃ長いです。

実際に採用された部分を含む個所を一部引用
8. 世界観やキャラクター/人物の背景情報を教えてください 必須

カップリングAB
共通項目:
ダークファンタジーな世界観
二人とも感情を失った虚ろな人ならざる者(『心を持たない』と表現される)
物語の中ではヴィランズにあたるポジション、黒装束の一味
愛し合っているわけではない、歪んだ関係性
A:花の属性を持つ。ラスボス。地より上を守る者。動作のたびにバラと思しき赤い花弁が舞う。
B:幻の属性を持つ。準ボス。地より下を守る者。いつも本を携えている。

9. 第一印象としてまわりが受ける性格とまわりからは見えにくい内面に秘めた性格を教えて下さい 必須

カップリングAB
総じて対称的な二人
A:
第一印象…容姿端麗、優雅で余裕のある大人の男性。リーダー気質。華やかな色気。
内面に秘めた性格…花を纏い、また美麗なので一見女性的にも見えるが、その実極めて男性的。同胞をも裏切る野心家、絶対的強者、支配する側の男、冷酷、慇懃無礼。
B:
第一印象…真面目で落ち着いた青年。誰にでも敬語で話す。知的な色気。
内面に秘めた性格…卑屈でプライドが高い。自他ともに厳しく、怠惰を嫌う。冷酷。根暗で人付き合いは苦手。無自覚で愛に飢えている

10. イメージしたい香りのご希望について記載ください 必須
ミステリアスでセクシーなイメージ
できるだけ原作に沿ったキャラ解釈を心掛けたつもりだったけどめちゃくちゃ個人の願望と偏見が入ってるなと見返して思った笑。いつもこんな目で彼らを見ています。
香りの方向性としてはフローラルに全振りしたかったのでそのように希望を伝えた。

 

3 届くまで
購入時点ではお届けまで6週間と公式ページで書かれていたのでそのつもりでいた。(余談だけど悩んでるなら思い切って決断した方がいい、欲しいと思ってからの数週間は長すぎる)
一カ月以上先だし、その間に作品を仕上げてご褒美に開封するイメージをもって楽しく創作に取り組んだり。
口コミを見ていると提示された納期よりも早く来たというコメントも多く見受けられたし、結果的に自分も4週たったところで発送連絡が来た!
金曜の夜に発送連絡がきて、日曜の朝に自宅ポストにて受け取りました。
創作のご褒美に…と思った作品は完成どころかほとんど進んでもいなかったけど、もういてもたってもいられずに開封!
どれぐらいいてもたってもいられなかったかというと、マンションのエントランスで開封してその場で付けたくらい。おちつけ。

 

4 香りへの印象
本当に正直に書くと、第一印象はちょっと好みからは遠かった。
『ご高年の女性が付けてそうな香り?』とか思ってしまった(その後共有した友人ともその意見は合致してしまった)。たぶんスパイシーなのがきいてたせいかな。
どれが何の香りとかわからないけれど、興奮を抑えながらまず手首に一吹き。甘いというよりはスパイシーなフローラルさを感じる。
「ふーん…」っていうのが本当に正直な最初の感想。しかし香水は香りの変化を楽しむものでもあるらしいから、このまま様子を見よう。ちなみにメッセージカードはまだ見ません。まずは自分で香りの解釈をちゃんとする。

このとき40分くらいかけて目的地まで歩く予定があったのだけどいいタイミングだったと思う。一人で歩くことしかできないからフレグランスとじっくり向き合うことができた。40分もたつとミドルノートくらいまで到達することができる。

時間経過による印象変化は下記

■トップノート
スパイシーな感が結構強い。嗅ぎなれない香りが結構強めに出ていた。
手首に吹きかけた後首につけようとこすりつけると、スパイシーさが抜けた甘い香りだけが感じられる面も!これは結構好きかも!ミドルの部分なのだろうか?

■ミドルノート
時間がたつとスパイシーさが落ち着いて、甘いフローラルさが残る感じ。この辺から純粋にいい香りだなって思えてくる。

■ラストノート
すっかり落ち着いてもうほとんど自然には香らないなってくらい時間がたったあと、ふと手首に鼻を近付けて嗅いでみると、何とも言えない色っぽい匂いが残っていた。びっくりした。どちらかというと重く深みのある甘さ。いろっぽ…!と思った記憶。これが二人の混ざった香り?自分で書いた『ミステリアスでセクシーなイメージ』がドンピシャで香っていた。すごいな。

 

5 メッセージカードを楽しむ
ミドルノートを楽しむ段階で目的地に到着、腰を据えたのでやっとメッセージカードを開いてみた。
余談だけど、自分で指定したカラーコード、ちょっとしくじったかもしれん。後者の色が思った以上に黒かった。まあいいけど。


メッセージカードによる各香りは下記のとおり
■トップノート
ジュニパーベリー(甘さと苦みを含んだ爽やかなウッディ長の香り)B
ベルガモット(柑橘の爽やかさとフローラルな甘さを併せ持った香り)A

■ミドルノート
オールスパイス(エキゾチックで深みのある、甘くスパイシーで温かい印象の香り)A
カルダモン(スパイシーで清涼感のある香り)B
ゼラニウム(甘くて重く、ミンティーな含みを持つ少しバラのような香り)A
ローズ(甘く華やかで優雅な香り)A

■ラストノート
ベチバー(湿った土にも似た湿り気を感じさせるやや渋めのウッディの香り)AB
パチョリ(エキゾチックでスモーキーな落ち着いた香り)B
どの香りがどっちをイメージしているのか自分なりに解釈してみた。
全体を通してキャラAをフローラル、キャラBをスパイシーで表現してくださっている。かなり理想的。Bがこんなにスパイシー寄りとは思ってなかったけど、ミステリアスさを出すのにウッディ・スパイシーが定番なのかな。“甘さと苦みを含んだ爽やかなウッディ調の香り”とか、素直じゃないちょっと癖のあるキャラBのイメージにマッチしていて悶絶する。キャラAはもういわずもがな。

文字で見るとトップノートからしてB強めのAベース、ミドルはAの甘さが勝って、ラストはBのスパイシーさと二人の雰囲気を残して終わる、という印象。
実際に感じるのも、トップでB強め、だんだんAの香りに変遷し、ラストに混ざり合ったセクシーさが爆発、といった感じ。
カプ観を語ると、6は染まりやすそう&11は染める側だと思ってるので、6の印象から11の印象へと変遷していく流れはとても理想的でした。

キャラ解釈はもう私の解釈をきれいにまとめてくれて嬉しすぎる!
「上品な落ち着きの中に苛烈さを秘めた人物(A)」「矛盾や葛藤、満たされない思いを抱えた彼の胸中(B)」をいつまでも噛みしめていた……

 

6 楽しみ方
使う対象によって香る印象が全然違って面白い。

①自身に使う→○
職場でも自宅でも香りの強いものはNGのため、ごくまれに一人で過ごす時間が長いときだけ自身に吹いて使ってみている。手首に付けた後その手首を耳の後ろにもあてると、結構自分で感じられてよいです。腰や内腿がほんのり香ってよいと聞いたけど、一度出かけるときにおなか~足の付け根あたりに吹いてみたらあまりにさりげなすぎて自分でもあまり気付けなかった。完全に一人で過ごす機会があるときは、手首とか首元に吹いた方が自身で楽しむことはできそう。
自分自身では大好きな香りになったのだけど、実用ではなく解釈優先にしたせいでたぶんだいぶスパイシーが勝っているので、もしかしたら一般的には不自然な香りかも。

②コットンにつけて持ち歩く→◎
どうにか持ち歩いて香りを楽しみたいと思うので試行錯誤した結果、コットンの表裏に吹きかけたものをチャック袋に入れて持ち運ぶ、という方法が一番良さそう。チャック袋は密閉性高めのものなので漏れる心配もほぼなく、袋の中で香りを濃密に保ってくれる。開けた瞬間の濃厚な香りは数日間は十分にもってくれる。袋に顔を近付けて匂いを嗅いでいる姿は絵的にだいぶ不味い感じがするので、ほんとうに一人で楽しむ用です。
人肌に使うのと違って、なぜかスパイシーさが感じられず爽やかな甘さばかりが際立つ。推しカプの概念から少しずれるかもしれないけど、扱いやすい香りになってこれはこれでとても好き。

③手帳につけてみた→△
よく使う手帳、取り出すたびに香ったらいいなと思って表紙裏の紙の部分に吹いてみたのだけど、②と真逆でフローラルさが飛んでスパイシーさ全開になってしまった。なんでだろうね。正直、第一印象で感じた違和感だけがいつまでもそこにあるような感じ。これはあまり向いてなさそう。

④練香水にする→○
Sentlyさん公式ページでワセリンと混ぜて練香水にできるという情報を得ていたのでやってみた。
ワセリン5g程度に対して3プッシュしてまぜまぜ。本当は1:1と書かれていたのでこれは相当控えめです。完成品は、トップの香りがつよめ(つまりスパイシー)
ハンドクリームみたいな感じで使えるかもしれない。手に取ってみた感じ、香水として使うよりは断然マイルドに香る。まぜいれる香水の量によって香りの強さは調節できそうでそれもよい。
簡単に持ち運べて少量指先に取ったりできて使い勝手は良さそう。香りのもちがよければ実際に香水として使うのよりもだいぶコスパもいいかもしれない。

 

7 オーダーのコツ

香り作りに関してメッセージカードから読み取れる感じだと、オーダーシートで聞かれるキャラABのそれぞれの印象をトップノートにピックアップし、詳細な第一印象と内面のイメージとでミドルノートを作り、こちらで指定したイメージしたい香りに寄せて全体をまとめているなと思う。香りの希望を書けばかなり沿ってくださる印象。

それを踏まえて理想の香りにたどり着くコツは、【キャラの印象(第一印象/内に秘めた印象)でほとんどの体裁が決まると心得ること】【言葉を絞ること】【苦手・避けたい香りを明示すること】かなと。

避けたい香りを排除するのはかなり大事だと思う。例えば自分はフルーティさやバニラ、ココナッツのような甘い香りはカプ観とは一致しないと思ったのでそれははっきり伝えている。(ちゃんとそういうの聞いてくれる項目がある)

あれこれ語りたくて長々と書いてしまいたくなるけど、全体としての印象がぼやけてしまうので、自分の解釈を明確に表現したい・ドンピシャで拾って欲しいイメージがあるならある程度言葉を絞って記載した方がぶれない気はする。逆に広々と提示して相手の解釈に任せたいならば様々な表現をばらまいてもいいと思う。

 

 

概念の具現化はもちろん、オーダーシートに自分の解釈をまとめたりすることすらとても楽しかった。おすすめです。Scentlyさんは完全オンラインで完結するのもよいです。全国津々浦々から推しの概念を形にしよう!

ちなみに…
もしもこの香り自体に興味を持ってくれる人がいたら下記のコードで同じものが注文できます。
【#71351】
もし注文したら是非感想を聞かせて欲しいです。自分はリピートすると思う。いまでは大好きでなくてはならない香りになりました。

いつか対面式の店に赴いて調香師さんとお話ししながら作ってみるのも楽しそうだなあ。

 

長すぎるオーダーシートの全文は次のページに。