【創作】密夜の約束

変換すると『光代の約束』になるのやめて誰???

2021年116の日おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

短いものばかり書いていたこともあるけど、ボリューム的にも気合の入り方も、今年書いたものたちのなかで一番を誇るものが完成したと自負している。
昨年参加したクレイジーサイコのアンソロジーで作品の案をいくつか出していたうちの一つ。
当作品はジキルとハイドのオマージュです。相反する二面性、がテーマ。
絶対いつか書きたいテーマではあったのだけど、アンソロジーとして載せてもらうには116要素が少ないかなとか、そもそもオマージュだしなとか、色々考えてとりあえずアンソロにあたっては没にしたのでした。
でも捨てがたくて(貧乏性)取り組んでは投げ出したりを繰り返しているうちに一年以上経ってしまったけど、何とか形にすることができてすごく嬉しい。長らく【凍結中】だった進捗ノートをついに【完成】にしてきました。わーい。

没案の更に没案として、主人公はイ…さんという案もありました。よりジキル博士とハイド氏の原作に近い雰囲気。昼は好青年、夜は妖しいプレイボーイ(?)みたいな…。で、夜の顔で11と逢引きしてる……なんていう。完全パロディになってしまうし、導入や過程があまり膨らまなかったのでまたしても没。機関員という設定に沿った話に出来る限り近づけながら書こうとしたら、結果いい感じにまとまった、気がする。

今回苦労したのは、全体の構成かなあ。冒頭は終盤の場面を踏襲しつつ書くのが難しかったし、なによりもやっぱりトリックというか、解説パートをどう自然に織り込むかというのにずーっと悩ませられた。普段推しの何でもない日常とかスケベとかしか書いてないから、ちょっとしたミステリーでも書いたような達成感。ただテクニックなんかは皆無だから、読み手さんにちゃんと伝わってるだろうか…大丈夫かな…とハラハラしてる…

書いていて楽しかったのは、やっぱり6の二面性。堅物で硬派な6は原作を意識して書いてて「す、すき……」ってなったし、妖艶で軟派な6は私の趣味をゴリゴリに押し出して書いて「すき~~~!!」ってなった。一度で二度おいしい。
11も、実は当初の予定よりもぐっと出番が増えている。硬派な6からみた11は、胡散臭いし花臭いし怪しさ満点。そんな捉えどころのない要注意人物が、実は知らぬところで自分と愛し合っていたなんて!どうですか、滾りませんか。

タイトルは例によって最後に慌てて付け足すように決めました。もう少しひねったり、おしゃれな語感に出来たら……と思うけど、もうほんとタイトルに関しては一生センスがないので思いついただけまし。
『ずっと守り続けてきた、二人だけの約束を守るように。』という一文、ぽっと思いついた割にはかなり気に入っている文面なので、そこにちなんで約束の物語にした。あと、最初と最後に『忘れないでくださいね』っていうのも、二人の秘密の夜にかわした約束と解釈してもいいのかも…なんていうのは後付け。

蛇足すぎるけど、各所に出てくる『僕のことを忘れないで』の『僕』が指すものは文面によって違うっていうの、伝わってるかなあ。
・冒頭の『僕』=回想中の裏の自我の『僕』=密夜が終わってしまっても裏の自我の僕を忘れないで
・最後の『“僕”』=表の自我を指す=表が裏に飲み込まれ消えてしまっても、いなくなった人(表の自我=“僕”)のこと、時々でいいから……思い出してください。
後者は裏さんによる完全な皮肉です。
こういうの、解説しなくてもちゃんと伝わったのか伝わってないのか、すごく気になる……

 

 

それにしてもずっと書いているのに全然飽きない。公式供給も皆無なのにいったい何が見えてるんだろうこの人こわい…
今年も元気に狂っていきます。自分のために書くのだ。