【創作】雨乞い

今作の好きポイントについて好きなだけ語ります。閲覧注意。



 

まず言わせて。単発で18000字越えは過去最高です。

『どんどん字数が増えちゃうんだよね』っていう人の気持ちが初めて分かった。自分の中に書きたいことが明確化されていると、ちゃんと話が広がっていくんだ。
私が短い話書く時って、漠然と「こんなシーンが見たい/書きたいな」くらいのふわっとさで書き始めちゃうから、そもそも一場面しかないものだし、そんなに広がらない。
今回は流れがあるタイプの話だったし、書いているうちにもっと掘り下げられるエピソードがどんどん浮かんできた。たとえばモブの存在とか。最初はそんなものはなく、ただ二人が出会ってそのまま……みたいなつもりだったのだけど……これはまた後述する。

六月あたりからとにかく好き放題書いて、本当にすっごく楽しかった!!
誰かや何かのために書くのではなく、好きで書きたいから書くのだという創作のあるべきスタイルであることができたと思う。そういう作品を置いておける場所として、サイト作ってよかったなってしみじみ…。

そして、絶対に人前で話せないようなこんなねじ曲がったシチュエーションと推しカプの乱れた姿も、作品にしてしまえば許されてしまうかのように錯覚させてしまうのってマジでチートだよなって思う。

その妄想、語れば危険、書けば文学

文学賞の広告でこんなこと言ってるのあったよな。妄想は作品にすべし。

 

以下、好きなポイントについて好きなだけ語る。

 

①雨

私の三大好きシチュエーションのトップを飾る…と思われる。
6月だから、だろうか(Ⅵにちなんで)。なんだかやたら雨と推したちを絡ませて書くのが楽しい。雨のしとしととした静かな雰囲気もいいし、じめっとした不快さすらもよい、物語の中ならば。推しが濡れるのも大変よい。雨を口実にしたエピソードもいくつでも書けちゃう。(すでに書いた雨のエピソードを数えてみたら10個以上あった)

「雨宿り」「雨に降られる」も大好きなシチュエーションで、両方採用しました。
雨宿りのいいところは、雨が二人を世界から隔絶してくれるところ。今回みたいに屋内でもいいし、一つ傘の下でもいいし、周りの人とはちょっと距離があって、けれど二人の距離はちょっと近い。そんなおいしいシチュエーションが合法なんです、雨の日ならば。素晴らしい。

雨に降られるのは、単純に濡れてる推しはいいよねってハナシ。水も滴るなんとやらなのよ…片方が濡れるのも、両方が濡れるのも好き。

 

②コインランドリー

身もふたもないこと言うけど、コインランドリーってなんかちょっと、こう…………ほら(??)
白状する。一度でいいから推しカプにコインランドリーでやっちゃってほしかった。そういう話が書きたかった。受けも攻めもそんな人じゃない!!って言われてしまったら間違いなくそうなんだけど、私の書きたい欲が勝ってしまった。見たいったら見たいんだ!

部屋でなく、ベッドの上でもなく、あるべき場所から逸脱したシチュエーションで及んでしまうということに、はちゃめちゃに萌えてしまう。ダメなのに、って思いながら、でも抗えなくて……っていうの、最高。今回書いた受けさんはそういうのにめちゃくちゃ興奮してしまうタイプでお送りさせていただいております。途中からたかが外れてしまい、自ら欲求に忠実になっていく様、書いてて大変楽しかった。

 

③ワンナイトラブ

これも私の三大好きシチュエーションのうちの一つ。ひとつの作品の中で二つも萌えシチュを詰め込んでしまった…罪深い作品だ…最高。

11をネームレスにする必要があったのかといえば、物議を醸しそうだけど、行きずりの人とその場の勢いで…っていうのがよかったわけで、わざわざ名乗る必要はないと思ったので押し通した。これ私にしかわからないと思うんだけど、原作とかけ離れたシチュエーションだろうがなんだろうが、私がこのキャラで見たいと思って書いた作品はもうそのカプなんです。名前を出さなくたってこれは11。オリジナルでやれとかそういう話ではないのだ。

話しが逸れた。
はちゃめちゃに盛り上がって一生忘れられない思い出になったけど、彼とはそれっきり。コインランドリーも閉鎖して取り壊されてしまい(跡地は駐車場にでもなっているといい)もう彼とは二度と会うことはなく、6だけが雨が降ったり他所で施設を利用したりするたびにあの夜のことを思い出してエモーショナルになるのです。会いたいんだろうな。叶わないとわかっていながら、また雨が降ったら会えるんじゃないかと思ってしまう、願ってしまう。それがタイトル。

 

④モブ(NTR?)

例えば『116でNTRです!』っていったとき、

①付き合ってる116のどちらかが第三者にNTRれる
②第三者と付き合っているいずれかがNTRれた結果が116

どっちが一般的なんだろ。やっぱり前者?後者はねとられっていうよりはねとりだよな…
ということで後者のお話でした。

前述のとおり、最初はモブはいない予定だった。
公共の場でいたすというシチュエーションに加えて「だめなのに、でも……」っていう要素が精神面でも加わったらさらに盛り上がるかなって思って入れてみた。今回のテーマは『背徳』だな…(今気付いた)

これも物議を醸すかもしれないけど、私は作中で基として成立するカプが116であるという点が揺らがなければ、道中はわりと何がおきてもいい派。ほかの相手がいたり、それが女性だったり、振られたり、別れたり。はたまた受けが攻めてみたいなんていう話をしてもいい。話をする分にはね。最終的には116になるんですけど。6さんがトップやりたいってごねる話があってもいいけど、ごめんね、その思いは成就しないんだ…

また話しが逸れ過ぎた。
結果的にねとりっぽくなってしまったけど、NTR自体を書きたかった話ではないので、モブはあくまでもスパイス。モブ君とのその後は一切ありません。もう二度と連絡もしないし会うこともないです。あの夜、6の心はすべて11に奪われてしまったから。

 

⑤体位他

こういうシチュエーションで後背位に勝るものはない(断言)
11としてはとても一方的。6が好意的に受け取っているからギリギリ合意の上になってるけど、そうでなければもっとアレな感じになってた。6が11に夢中になってしまっているのに対して、この11はもっとドライ。言い方悪いけど、瞬間的に欲情してそれが満たされれば満足。
なので顔とか見えなくていいんです。なんならいろんなリスクを冒して挿入までしなくたってよかった。結果的に入れてみたらきっとよかったのでしばらくは盛り上がったけど、終わるのも結構利己的。

あと、【着衣×全裸】も絵的にすごい好き(絵?)
バスルームでそういった感じでいたす小話を昔書いたことがある。なんでだろう?って考えたら、力の優位性が明確になっているのがいいんだろうなって今書いてみて気付いた。受けがせめっせめな話も好きで書くけど、やっぱり支配する側の強者たる11が好きなんだよな……

 

そういえば、終わり方は随分急な感じにしてしまったけど、最近読んでものすごく好きだった作品に影響されてる。中村文則『銃』。物語の余韻を残すような、爪痕を残すような?読み終えて、何か残るものがあるような。『銃』に関して言えば残るのはすんごいえぐみなんだけど、それがまたよい。
今作に合っていたと思う技法。ちょっとやってみたかったので満足してる。

 

 

+++

何度でも書くけど本当に書いていて楽しかった。五月くらいから書き始めて、途中で小話も二つ挟みながら、創作に充実した日々だった。

執筆が終わるとどうなると思う? 次の執筆が始まるのだ。

順当に考えれば一夜をそろそろなんとかしたいんだけど、いろいろ思いついてしまった小ネタもあったりして、何から手を付けようか迷ってる。ネタは鮮度が大事。