習作

普段、思いついた話はまずネタ出しとして思いつくままに書き出してから、文章を整えるための推敲を幾重にも重ねて文章を作っています。
が、推敲が大変過ぎてネタ出しの状態のまま放置されている話がありすぎるので、いっそそのまま出してみるか。という新たな試みをします。

ネタ出しの状態のままなので文章の体裁は何も整えてません。字下げどころか改行もろくにしてないし、急に口語みたいな文体になったり、メモが書き添えられたり、展開が丸投げされたりします。あとネタ出しのときいつも『6』『11』と書いてるのがそのままです。名前長いんだもん…

気が向いたらちゃんと体裁を整えるかもしれないし、満足してこのまま終わるかもしれない。でもどこにも出さず埋もれたままにするよりはいいか、ということで、急に始まって急に終わります。何でも許せる人はご覧ください。

 

※R18現代パロディ116
※テーマ『初めて家に訪れて初めて結ばれる場面』



 

(11視点)

玄関に上がった瞬間、相手の匂いみたいなものを空間一杯に感じて、狭い玄関で扉が閉まった瞬間相手を抱きしめた。抵抗がないのをいいことに、うしろからうなじにキスをする。手の動きにその意図を読み取った6から、「こら、玄関」と軽く小突かれる。まだ靴も脱いでいなかった。だって、もう我慢できない。
むむ…って11が不貞腐れそうになってると、「……寝室は、こっち」と部屋にいざなわれる。え、いきなり。意表を突かれながら腕を取られ部屋に入る。大きな家具はベッドしか見えなかった。扉を締め切り、電気も点けず、暗い部屋の中で6がじっと見上げてきた。

「おい、わかっているのか」
じれながらも11は最後の理性を振り絞って同意を得に行く。部屋に来た意味を確認する。6は何も言わない。
「……いいんだな」
震えそうになりながら、手はもう相手に回っていた。
6が頷くやいなや、その唇に自分のそれで触れた。相手の匂いがぐんと強くなる。不思議な匂いをしているこの人は。香水などではない。人工的な匂いではなく、奥底からたちのぼる、本能を揺さぶる匂い。自分は、それに弱い。もっとほしくなる。とりこんでいくうち、自分の理性が徐々に紐解かれていく。

背の低い相手に合わせるように身を屈めていたが、相手も徐々に伸びあがってきたのが分かる。相手も欲してくれているのかと思ったら止まらなくなった。粘膜の触れ合う心地よさに頭が痺れそう。ふと見ると、相手がじっとこちらを見ていた。ずっと目を開けていたのか。目の奥に静かに燃える炎を見て、相手の身体に自分の身体を押し付けた。抵抗なく、押されるがまま相手の身体が傾いだ。背後にベッドがあるのが分かっているからだろう。背に手を回し、身体を支えながら、折り重なるようにして身体を横たえた。身体が心地よく沈む。覆いかぶさり、相手をしっかり囲ってまたキスを繰り返した。相手の手も自分に回り、背中や髪の毛を撫でる感触にぞわぞわした。夢中になっていると、相手の声が薄く漏れ始めた。水音と相まって、興奮を煽る。こんなに密に触れているのに、全然足りない。

手が性急に服の裾を探り、隙間から肌を求めた。身体が熱い。触れた相手の肌も熱かった。しっとりとやわらかく、口に含んだらたまらなく美味しそうに感じられた。けれどキスも惜しい。キスをしたまま、少しずつ相手の服のボタンを外していく。6が協力的で、ボタンが外れると自ら袖を抜いた。脱いだものは次々にベッドの外へと払い落とされる。ベルトを外すと、一度6は身体を離す素振りを見せて自ら服を脱いだ。そのタイミングで11も自分の服を脱ぎ捨てる。下着も脱いだ。相手を見ると、下着一枚になったところで動きを止め、またこちらをじっと見ていた。視線が舐めるように全身に注がれているのが分かる。視線に撫でられているかのようで、ただそれだけで一層身体の中で漲るものがあった。

言葉もなく、身体を寄せ合いまたキスをした。とんでもなく気持ちよかった。最高の相性だとおもった。こんなのは初めてだ。キスの合間に相手の肌を味わうように撫でた。伸びてきた6の手が11の性器に触れた。躊躇いなく握られ、正直、もうそれだけで達してしまうかと思った。息を詰めたのがわかったのか、6が蠱惑的に微笑んだのがわかった。力強くい手の動きに翻弄されながら、負けじと相手の身体をまさぐる。下着の縁からそのまま手を潜り込ませ、弾力のある肉の張りを両掌で味わった。もみしだきながら、掻き分けた先のすぼまりを探る。6が初めて明らかな動揺を見せたので、興奮のままに剥ぐようにして下着を下ろさせた。抵抗はなく、やっぱり協力的に最後の布を自分の手で外した。

相手の身体を見下ろした。余分な肉はなく、骨ばった骨格のせいで華奢な印象を与えるが、肉付きは人並みだろう。足の間の高ぶりを見て、相手もその気だとわかると嬉しかった。相手もまた自分の身体を見ていた。物欲しそうにしているのがわかったので、さわって、と促す。遠慮がちに触れた手が、筋肉の凹凸を確かめるように腹部を撫でた。ああ、と声を上げたくなる。うまれてこのかた、こんな興奮の渦中にいたことがあっただろうか。放っておかれた性器が反り返っている。濡れた先端からの匂いが立ちのぼる。ひょっとしたら、相手のそれも同じようになっているのかもしれない。

いつのまにか6は11の身体をまさぐりながら自身を触り始めていた。一人で楽しむなんて言語同断。こんどは11が6の性器を握り、上下した。うあ、と声が漏れる。聞いたことのない声色に、思わず手に力が入った。絶対にいかせる、いかせまくって、私のこと以外考えられないようにして…。11は息荒く6をよくすることに努めた。6も拙く11を握り返してきた。
「まって、いく……」
頂点を目前にして初めて抵抗を見せたが、いかせることしか頭にないので押し切るかたちでそのまま出させた。勢いよく白濁が跳ね手を濡らした。熱くて、じんとした。噛み殺すような声の甘さに、蕩けた眼差しに、もうほとんどりせいがきかなかった。

力の抜けた相手を押し倒し、足を割って開かせた。もう抵抗はなかった。最初から思ったが、ひょっとして男相手は初めてじゃないのだろうか。あられもない格好にされながらも、6は黙って続きを待っているように見えた。強い眼差しが、11を下からとらえて離さない。

今すぐ突き立てたい衝動を最後の理性で抑えこみ、手を濡らす白濁で相手の後孔に指を入れた。きつい、けれど、入る。あたたかい締め付けに興奮を抑えられず、性急に指を増やした。二本、三本。三本入ったならいいだろうか。どう考えても自身の質量は指数本程度で代用できる代物ではないと頭の片隅で思えど、もうそんなことはどうでもよかった。指を抜いたところが塞がってしまう前に、即座に自身をあてがう。興奮は最高潮。6も息を詰めてみているのがわかった。待っているのだ。これを奥まで突き立てられるのを。そうおもったら、頭のねじが何本か飛んだかもしれない。本能だけで身体が動いた。本来物を受け入れる場所ではないはずなのに、知ったようにそこは11の性器を少しずつ飲み込んでいった。圧迫感は指の比ではない。6も呻きながら、それでも11を受け入れようとしている。歪に身体を繋ごうと必死な二人。我慢できずに一気に奥を貫いた。6も声を上げ、歯を食いしばって痛みに耐えているように見えた。慣らしたりなかったのだろうとわかってはいても、もうとめられなかった。

入った瞬間、愛しさが爆発した。身を捩る6を抱きすくめ、宥めているかのように見せかけて、身体を密着したことで局部を締め付ける相手の身体を味わった。泣き声に近い浅い息遣いが、どこまでも興奮を助長する。入れたばかりだというのに、探るように動き始めた。締め付けがきつすぎて思うように動けなかったけれど、全身で相手を感じることができて、満たされた。目の前にある肩にそっと歯を立てる。舌に触れる肌は塩味を感じた。堪らず、舐め吸いを繰り返した。赤く跡がついても、気にしなかった。

6が背に手を回すのを、催促と都合よく解釈した。出したくて仕方なかった。相手がなんとか耐えうる様子なのを見て、徐々に動きを加えた。揺さぶられるたびに相手の声が甘く漏れ、その甘さに許された気になって調子に乗った。もう何も考えられなかった。すぐだった。6がしがみつくのをいいことに、奥でそのまま放出した。一滴残らず注ぎ尽くしたいと思った。出している間、かつてなく本能的に生きていると思った。長い射精だった。

 

(ここまで)

 

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私のネタは圧倒的に“降ってくる”ことが多くて、それも大体寝起きが多いのだけど、これは思いついて飛び起きて一時間半くらい書きなぐったときのそのままの文章です。作品として発表するときはここからもっとちゃんと推敲を重ねるけど、正直これくらい土台ができていれば、あとは二週間もあればなんとかなるかなあという見込み。

これが小話になり得ない理由は、これが最近はまって考えているパロディストーリーの中盤くらいの場面で、そこに至る序盤のストーリーが皆無だからです。かたちにするならちゃんと順を追って作り込みたい。けどそんなことを言ってると何も始まらないうちに泥沼と化すのが見えているので、今回こうして放り出してみました。こんな感じのネタ出しでよければかなりハイペースで投稿していけそうな気もするけど、ちゃんと推敲したものもつくりつつ、またたまに投げに来ようと思います。習作も積もれば何かできるかもしれないしね。