※短歌+掌編
紅くれなひやなどやこゝろを乱るらむ
余は虚ろなれどいと嘆かはし
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赤が嫌いだ。
派手なその色合いも、ちらちらと小賢しく視界に映る様も、邪魔で、目障りで、鬱陶しい。
鮮やかに舞うその欠片を排除したい気持ちのうらがわで、
空虚な胸の隙間に入り込んでくる姿を探している自分に気付く。
だから、嫌いだ。赤い色が。
目の端に映るたびに思う。
虚ろであるはずの自分が、どうしてこんな思いをしなくてはならないのだ。
「……嘆かわしい」
名もなき感情も、言葉と共に吐き捨ててしまうことができたらいいのに。
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*直訳
紅(の花)は何故感情を乱すのだろう
私は虚ろだというのに、なんと嘆かわしいのでしょうね。
お題『心』
(短歌の知識は完全に付け焼刃なので、やばいくらいおかしかったら教えてください…!)